【自分で考える力】出口 汪:著「「考える力」を身につける本」のまとめ・感想

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周囲から一目置かれる存在になれる。

自分で考える力を身につけることであなたに起きる変化の1つです。

もちろん得られるメリットはそれだけではなく、自分で考える力を持つことこそが、自分の人生を生きることになると「「考える力」を身につける本」の著者 出口 汪さんはおっしゃっています。

では、自分で考える力とはなにか。
どうすれば身につけることができるのか。

教育プロデューサーであり東進衛星予備校の元祖カリスマ講師。

そして、設立した総合予備校SPSでは無試験で入れた受験生のほとんどを東大・京大・早慶上智に入学させたという実績もある出口 汪さんの著書「「考える力」を身につける本」で書かれている”自分で考える力”とは何か、それを養うにはどうすればいいのかのポイントをネタバレにならない範囲で紹介させていただきます!

※記事内容は執筆時点(修正時点)のものですので、ご了承ください。

考える力とは

まずそもそもとして考える力とは何か。

考える力とは「論理力」です。

物事の因果関係を把握したり、順序だてて理解したり、それを見出すことこそが”考える”ということであり、その力を持ち合わせていることを、”考える力がある”といいます。

そして、この論理力は鍛えることができる能力でもあります。

論理力とはイコールの関係

論理力とは何かを説明しますと、イコールの関係を作ることを意味しています。

「A=B+C」である。
だから、今目の前にあるBとCはAなのでは?

このように考えることを論理的に考えると言います。

料理のレシピなどを想像するとわかりやすいと思います。

求める料理(A)を作るには、材料Bや材料Cが必要であると列挙されていて、それを火にかける、細かく割るなどの加工方法も記されていて、その通りに真似すればAが作れます。

そのレシピは漏れなく無駄なく料理Aを作るための内容が記されていますし、そのレシピに書かれている材料を使わずに料理Aを作ることはできません。

料理Aと材料の関係性が=で成立しています。

論理的に考えるとは、そのような考え方ができるということを意味しています。

なぜ自分で考える力が大切なのか

自分で考える力を養う事。
つまり論理的思考力を身につけることがなぜ重要なのか。

それには次のような変化をあなたに起こせるためです。

今とこれからの時代に必要な人材になれる

日本では自分で考える力はそれほど重視されてきませんでした。
なぜなら、日本で重視されてきたのは”モノマネ”の能力だからです。

欧米諸国で発明されたモノ、開発されているモノを徹底的に真似する能力こそが重視されてきましたので、正解”をただしく”再現”することだけが重視されていました。

そのため学校でのテストや入試などでも、”正解を再現できる人”が優秀な人とされています。
独創的な考えを持っていたり、想像力が豊かなことは評価されません。

とことん正解をマネする能力を高めることを負い続け、その結果、日本は先進国の仲間入りを果たしましたが、先進国として求められることは何かとなると、今までと変わらずに先進国を真似ることではありません。

率先して新しいモノを生み出したり、開発することが求められるのが先進国であり、それを日本も求められる立場にあります。

しかし、日本では後進国的な教育方針=モノマネする能力を競うことに重点を置かれているので、日本発の産業は産まれずじまいです。

今の日本、今後の日本に必要なのは今までの知見を踏まえて、新しいモノを生み出すことであり、それができる人材、つまり、自分の頭で次を考えられる人が求められています。

新しいモノを生み出すためにはモノマネは必須

新しい何かを生み出すためにはモノマネではダメだということではありません。

むしろ、徹底的なモノマネが初めの段階では必要です。
モノマネをすることで、その背景にある知識や技術を学ぶことができます。

そのモノマネを超えて独創性を生み出す際に、論理性が求められるようになります。

子供が親の言葉を聞き、真似て覚えます。
そして、言葉を使いこなせるようになったら、次は自分の考えや思いを言葉にしていくようになります。

モノマネ止まりとは、親の言葉を真似ることしかしないということです。

言葉というツールの使い方を覚えたのなら、そのツールを使って、自分の考えや思いを言葉にすることが独創性で、自分の考えや思いを伝えやすく伝えるためには論理性が大切になってきます。

モノマネを卒業するためには論理性が必要であり、論理性を持つ人が独自性を発揮できるようになります。

対人関係を広げ、深めることができるようになる

日本人は、他者を理解することが苦手であり、反面、英語圏の人たちは他者を理解することに長けていると、著者の出口 汪さんをおっしゃっています。

その理由は使っている言葉にあります。

日本語はどこか曖昧さが残っています。
その曖昧さは、同じ日本人ならわかるよね?という大前提から来ています。

「阿吽の呼吸」や「ツーカーの仲」などの、言わなくても察してくれることを美徳とする言葉が残っているように、言葉ですべてを伝えなくても伝わっている関係が素晴らしいとする価値観が背景にあります。

どこかで自分と他人の境界線が曖昧なのです。

ところが、英語圏の国々ではその感覚は通用しません。
なぜなら、人種、文化、教育レベル、価値観などがバラバラだからです。

”自分と目の前の人は何もかもが違うかもしれない”という大前提の中で生きていて、それは、自分と他人を明確に分けなければいけないという孤独と絶望感が背景にあります。

そのような社会の中で生きていくためには論理性だけが頼りになります。

  • 自分が伝えたい事を相手が理解できるように理路整然と伝える
  • 相手の考えを間違いなく理解するために理路整然と受け止める

これが出来なければ社会生活を営むことが難しいのです。

だから、英語は理路整然とした言語として発達し、論理的な言語だからこそ公用語として広く使われてもいます。

それは、論理性を高めることが、他者との関係性を広げ、よりよいものへ変えることもできるということでもあります。

自分の頭で考える力を養うことが、対人関係にもプラスの働きをもたらします。

一人勝ちできるようになれる

すでに色々な産業で起きている変化ではありますが、現代は、圧倒的な一人の勝者と、その他大勢の敗者という構図が生まれつつあります。

なぜそのような構図になるのかというと、その一人の勝者が他とは違ったからです。
何が違ったのかというと、”考えている中身”が違ったのです。

逆に、他の人と同じ考えにとどまっていた人たちが”大勢の敗者”側となっています。

例えばamazonはネットショップの圧倒的な王者であり、それは実社会の産業構造も変えてしまっていますが、その発端となったのは、ジェフ・ベソス氏が紙ナプキンに書いたビジネスアイデアだと言います。

その紙ナプキンに書かれていたことは、”買い物履歴を蓄積し、その履歴を参考に商品をオススメする仕組み”でした。

今は当たり前となっていることですが、当時のネットショップ界でこの考え方を持っていたのはamazonだけでした。

そして、そのアイデアはとても合理的でした。

買い物履歴を参考にして、こんな商品もいかがですか?とオススメすれば、「そうそう!」とか「いいかも」というプラスの買い物体験をお客様は味わえます。

その体験を味わったお客様は、「また何かオススメされるのかな?」「次はどんな商品が出てくるの?」とリピート訪問に繋がります。そこでまた良い買い物体験をすれば、リピーターがファンになりますので、売り上げは大きく伸びます。

実社会の店舗では棚の位置も並びも決まってますからできないことですが、ネットならそれが可能だし、そんな風に個人に合わせたオススメが出てくれば楽しいよね?という。

この考え方を「前例がないからダメ」とするのか、これは理に適っていると受け止めるのかで、明確に結果が分かれますよね。

想像してみてください。
もし当時、ベソスさんがそのアイデアを持ってあなたに出資のお願いをしてきていたら、どうしていますか?

そのアイデアを理解できて、少額であっても出資することができれば大富豪の仲間入りができるわけです。

悪質な情報から自分自身を守れるようになる

amazonのように自分の頭で考えることで頭一つも二つも抜け出せてしまうという事例もありますが、逆に、それができないから転落するというケースがあります。

それは、情報を自分の頭で選別することです。

なぜなら、現代は情報が溢れかえっているためです。

情報は玉石混淆で、良い情報もあれば、悪い情報もあります。

それが如実に表れるのが災害時です。
人が判断能力が落ちているときを狙って流れる悪質なデマがありますよね?

あの手のデマは本当に悪質です。

命の危険にさらすようなこともありますから、そのようなデマを避けることが大切ですが、そのデマを見抜けるか否かも、自分で考える力があるのか否かに左右されます。

  • これは本当なのか、嘘なのか。
  • 本当なのだとしたら、どうすればいいのか。
  • 嘘なのだとしたら、どうすればいいのか。

自分の頭で考えて、論理的に次を考えることがとても大切になってきます。

自分の頭で考えることができないと「他の人のまね」という選択肢を選ぶしかなくなりますから、他の人が間違えていたら、自分もその巻き添えを食らうことになります。

自分自身を守るためにも、自分の頭で考えることはとても重要です。

自分で考えるために欠かせない2つの要素

自分で考える力=論理的に考えられるようになるにはどうすればいいのか。
それには次の2つ(3つかな?)の要素が大切になってきます。

記憶

論理性の基本となるのが記憶です。
記憶することが論理的に考えるための第一歩です。

例えば、絵を描く趣味を持つ方が絵画を見て得られる情報と、絵に関する知識が何もない人が絵画から得られる情報には雲泥の差があります。

この色を出すためには今ならこうするが、この画家はこうやって色を出している。

でも、その出し方をすると他の色との兼ね合いから・・・みたいなことを読み取れるのは、色の知識や絵の具の知識があり、それを用いて理解することができているためです。

絵画に関する知識がない人は、その色付けを見ても「キレイだな」「上手だな」と思ったとしても、情報として何も得られることがありません。

その上で、なぜ記憶が大切なのか。

それは、知ることよりも、記憶していることが大切だからです。

例えば、英検2級取りました!でももう忘れました!は、英語を使えないことと同意に近いですよね。

学習したかどうかよりも、それを覚えているかどうかが大切です。
そういう意味で”記憶”が大切なのです。

想像力と創造力

一つの事象を複数の視点で見る想像力も論理的に考えるためには大切になってきます。
著者は、それをレトリック的思考”ができるのかどうかが重要だとも書かれています。

例えば、ガリレオ・ガリレイは地球を見たこともないのに宇宙から見た視点で考えられたのは、想像したからです。そして、その想像から地動説を創造しました。

いつも見ている視点と違う視点で見ることに発見があり、それを可能としているのが”想像力”です。

日常生活でも、好きなあの人の視点でみれば自分はどうなのかな?と想像することで、恋愛が一歩前進するかもしれません。

仕事でも、取引先から見れば自社はどうなのかな?他社と比べてどうなのかな?と想像することから、次の一手が生まれます。

いつもと違う視点から立体的に想像することで、創造されます。

自分で考える力は誰にでも身につけることができる理由

自分で考える力とは「論理性」であるというのが著者の出口 汪さんのお考えです。

そして、その論理性は、”記憶”と”想像力”が重要となってきます。
覚えている公式や型を用いて、目の前の事象を多角的に想像することが、論理的思考につながるためです。

では、その記憶や想像力に自信がない・・・という人は、論理性を身につけるのは無理なのか?
というと、もちろんそんな事はありません。

論理性は後天的に見につけることができます。

論理性は後天的能力だから鍛えられる

論理性は生まれ持った才能ではなく、後天的な能力です。
だから、鍛えれば誰でも身につけることができます。

なぜそこまで言い切れるのか。
それは、論理性の基本は演繹法だからです。

公式などの型を覚え、あとはそれを当てはめていくことが論理的に考える事の基本になるので、覚えて使うことの繰り返しであるためです。

繰り返すことで記憶は強化され、繰り返すことで理解は深まりますので、論理的思考をすればするほど能力は向上していきます。

演繹法と帰納法

演繹法とは論理的推論を行う際に用いる考え方の1つなのですが、少しかみ砕き、その対義語でもある帰納法も併せて説明します。

  • 演繹法抽象→具体を見るという考え方。英文法を用いて英文を作る、公式を用いて数学問題を解くなど。
  • 帰納法具体→抽象を見出すという考え方。木からリンゴが落ちるという具体的現象を見て、もしかして、全てのものには引っ張る力があるのでは?と抽象的に見る。

論理的に考えるというのはこのいずれかの手法を用いて考えることを指しますが、多く使うのは演繹法です。

例えば、靴を履く動作。
多少の違いはあれど、靴の種類が変わっても同じですよね?

これは演繹法を用いて合理的に考えることが出来ているためです。
靴を履く動作は、こうして、こうして、こうという流れが頭の中にあるから、靴が変わっても対応できます。

逆に、靴という存在を知らない人が無数の靴を見て、いろいろあれこれ試しながら足で履いてみたらシックリきた。

そこで「もしかして!」と他の靴も同じ動作で履いてみるという具体→抽象という手順を踏むのが帰納法です。

ただ、帰納法は具体的事象から法則性を見つけるというひらめきが必要になりますので、先天的な才能が必要だと言われています。(ニュートンなどの天才は、これが出来た人たちでもあります。)

演繹法は、覚えている公式などの型を応用するというプロセスを指します。

例えば、英語の文法を覚えたことで英語が読めるようになった。
その公式を使ってたくさんの英文を読むと、理解もスピードも上がってさらに読めるようになった。

これと同じです。
使うほど理解が深まりますので、自然と理論的な思考が上達しています。

まとめ

「考える力」を身につける本」で書かれている自分で考える力を身につけるということについて、僕なりの理解や解釈も踏まえて、書かせていただきました。

その内容をまとめますとこういう事になります。

  • 自分で考えるとは自分の頭で論理的に考えるということである
  • 論理的とはイコールの関係を作ることである
    • A=B+C 等々
  • 他の人と同じで良しとされる時代でも状況でもない
  • 論理的に考えるためには”型”や”公式”を豊富に持つ
    • 型や公式を演繹法的に使う
    • 型や公式などの知識を記憶する
    • 違う視点ならどうなるのかを想像する

これらのことを書いてきました。

型や公式などを学び、それを使いこなせるようになる。
それを使いこなせるようになったら、違う視点でもそれを当てはめて想像してみる。

多角的に物事を理解することで、立体的にそれを理解できるようになってきます。
立体的に見ることで、これから必要となるものは何か、何が欠けているのかが見えてきます。

それが「考える力」を身につける本」で述べられている自分の頭で考えるということなのだと僕は理解しています。

本の中ではさらに踏み込んで、記憶力を高める覚え方や、想像力を養うための方法も書かれていますが、それは是非本を手に取って参考にしていただければと思います。

著者が予備校の元祖カリスマ講師だったこともあり、覚えておいて損はない勉強のコツが書かれています。

特に論理力のベースとなるとのは読解力であることから、”文章を読む”ことの大切さ、その能力を高めるためのポイントなどは、仕事でも大いに役立つ内容となっています。

そんなわけで、自分の頭で考えるとはどういう事なのかについて書かせていただきました。

あなたの参考になりましたら、幸いです。

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